第20回定期演奏会記念シリーズとして

第20回定期演奏会記念シリーズとして

 アイノラ交響楽団では、節目となる第20回目の定期演奏会を2023年に迎えるに当たり、第19回および第20回定期演奏会をシリーズとして位置づけることといたしました。この2回の定期演奏会をシリーズとするにあたり、共通するコンセプトを~シベリウスの「フィンランド音楽」創造を辿る~といたします。以下に、直近の第19回定期演奏会の曲目を中心に、2回の演奏会について簡単にご説明いたします。

 まず、2022年2月に開催します第19回定期演奏会では、「大地の誕生とフィンランドの旅立ち」をコンセプトとして、シベリウスの「ルオンノタル」、交響曲第1番というジャンルの異なる2つの作品と、カヤヌスの「フィンランド狂詩曲第1番」(1881年作曲)を演奏することで、彼らのフィンランド音楽の創造の道をたどります。

 フィンランドの叙事詩「カレヴァラ」を題材に、母となった自然の娘が天地を創造する様を描いたソプラノと管弦楽のための「ルオンノタル」(1913年作曲)は、わずか10分ほどの短さの中に壮大な世界を織り込んだシベリウス(1865-1957)の知られざる傑作です。シベリウスは「カレヴァラ」など民族的な題材を作曲に用いる一方で、純音楽的な交響曲の創作にも傾注し、7つの独創的な作品が生まれました。

 その処女作である交響曲第1番ホ短調(1899年作曲)は、その清新な作風で、発表直後から人々を魅了し、今日まで演奏され続けています。その普及にあたって大きな功績を残したのが、フィンランドの指揮者カヤヌス(1856-1933)でした。彼は生涯に渡りシベリウスの演奏に尽力しましたが、作曲家としても著名だったカヤヌスは、新しい芸術を模索していた若き日のシベリウスに刺激を与える存在でもありました。

 またショスタコーヴィチ(1906-1975)が編曲したソプラノとテノール、小オーケストラによる「7つのフィンランド民謡」(1939年作曲)を取り上げ、「ルオンノタル」に連なるフィンランドの歌の魅力にも迫ります。フィンランド音楽の自立と発展を目指したカヤヌスとシベリウスの2つの「第1番」、大地の誕生を描いた「ルオンノタル」、そしてフィンランドの歌のルーツに迫る「7つのフィンランド民謡」。歌とオーケストラによる想像力溢れる世界をお楽しみいただけるものと期待しております。

 続く2023年の第20回定期演奏会では「作曲家シベリウスの誕生」をコンセプトとして、シベリウスが初めて故国フィンランドで成功を収めた初期の大作「クッレルヴォ」をお届けします。この曲は、『カレワラ』第31章から第36章に当たるクッレルヴォの物語を題材としており、シベリウスがまだ若い、20代の作品です。男性合唱とソプラノ、バリトンの独唱を伴う70分ほどに及ぶ大曲で、シベリウス自身により1892年に初演されましたが、その後紆余曲折を経て、今に至る曲です。第20回定期演奏会のプログラムは、こちらをご覧ください

以上のように、第19回と第20回の定期演奏会を通じて、冒頭のコンセプトに掲げた通り、はからずもシベリウスの「フィンランド音楽」創造の原点を辿っていただけるプログラムとなりました。

アイノラ交響楽団一同、多くの方々のご来場を心よりお待ち申し上げます。

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